*

一方で、瑠翔は……

「結愛に嫌われたよ。どうしよう…一樹!もとはと言えば、お前が言うから」

 瑠翔はしょんぼりとした様子で壁の隅っこで体育すわりをしていた。

「…僕のせいにするのかよ。まぁ、いずれにせよ。言おうと思ってたんでしょ。いいじゃん、言えて」

 一樹は俺が帰ってくる前からいて、俺の部屋にあった漫画を手に取り、ため息をついていた。

「そういう問題じゃないから!あー、どうしよう」

 俺は重く何かがのししかったように息を吐いていた。

「…ちゃんと言えばいいじゃん。ほんとは言おうと思ってたんだって」

 一樹は横になっていたのを起き上がり、俺に声を出した。

「言ったよ。すぐ。でも、結愛は納得いかなくて…」

 俺は沈んだ声で一樹に発した。

「…それで諦めるんだったら、結愛ちゃん諦めるんだな。そんなもんだったのか?だったら、別れるんだな」

 一樹はいつも以上に冷たい声で俺に言い放ち、あぐらをかいていた。

「……別れるなんて選択肢はねぇよ。やっと結愛が俺のものになったのに…別れるなんて嫌だ」

 俺は立ち上がり、一樹に強い口調で右手を握りしめて言い放つ。

「瑠翔はそうじゃないとな。ほら、結愛ちゃんの部屋に行ってきな」

一樹はニコッと笑って、ほら行けと言い、手をシッシッと振っていた。

 俺は返事をして、立ち上がって結愛の部屋にダッシュで向かった。