「な、なに」

 私は目を丸くして瑠翔を見る。

「……ついてる」

 瑠翔は私の頬を触り、何かを取っていた。

「……あ、ありがと」

 私は真っ赤な顔で瑠翔を見て、返事をした。

 瑠翔は別にと言って、そっぽを向いていた。

 私たちはそれから、部屋にあったテレビをつけて、黙って見ていた。

 お互いぎくしゃくしながらも、チラッと隣に座っている瑠翔を見た。

すると、瑠翔と目が合った。

「…あっ。ど、どうしたの、瑠翔」

 瑠翔に私は聞くと、目を泳がせて髪をかいてから目を逸らした。

「…いや…なにも……」

 瑠翔は下を見て、また私を見ていた。

 なんなんだ。

 私もそんな瑠翔の姿に緊張しながら、また瑠翔を見た。

 瑠翔とまた目があった。

「アハハアハハ」

 私は思わず笑ってしまった。

 瑠翔が私と同じように緊張して、私を意識しているのだろう。

 私と同じ思いをしていることに気づいた私は、瑠翔と向き合った。

「なんだよ」

 笑った私が面白くないのか無表情で私に言い放った。

「好きだよ、瑠翔」

 私は真っ直ぐ瑠翔の瞳を見つめて、思ってることを口にすると瑠翔は私を抱きしめてきた。

「……天地がひっくり返るんじゃないかな、俺、幸せすぎて……」

 瑠翔は私の右肩に顔をくっつけて、強く抱きしめた。

「……瑠翔。力強い」

 私はそう言うと、瑠翔はごめんと謝ってから、今度は優しく抱きしめた。

        *

 瑠翔は自分の家に戻り、ベットに横たわっていた。

 「あー、可愛すぎるよ…結愛」

 俺はベットの横にあったぬいぐるみを抱いて、左右に動いて言っていた。

 俺、一人呟いた。

 ほんとに可愛すぎるんだよ。
 
 理性がよく持ったと思う。

 結愛の部屋に入るのは、前からあったけど…二人きりになるのは久々で緊張が半端なくて、手汗がすごかった。

 結愛のことになると、理性が吹っ飛んでしまう。

 結愛、結愛、結愛。

 俺は天井を見つめて、結愛のことを考えていた。

 クリスマス、楽しみだな。

 俺はクリスマスのことを考えて、笑みが溢れていた。