「…幸せだ…」
お互いのおでこをくっつきあい、瑠翔は呟いて、私を見て笑っていた。
笑っている姿なんて、何年ぶりに見たのだろう。
どの瑠翔も好きだけど…少年みたいに笑っている瑠翔は心の底から笑っているように思えた。
私と瑠翔は乗り物など乗らずに、ベンチに座り込んでいた。
瑠翔は私の左肩にまだ寄りかかったまま、瑠翔は私の右手を絡ませて、恋人つなぎをした。
最初は戸惑ったけど、お互いの想いを感じ取られた気がした。
嬉しくて顔から零れ落ちそうになる表情筋を我慢したが、私は抑えきれなくて
目を細めて笑った。
瑠翔が私のことが好きだよっていう想いがひしひしと伝わってきた。
私は手を繋ぎながら、心の中で好きと何度も伝えた。
いつか瑠翔に伝わっているといいな…
まだ、言葉に出せないけど…
今度はちゃんと私から伝えるから。
想いよ、届け!

