「利久せんせぇ……」
「申し訳ありません。僕たち獣医に出来る事はもうこれ以上ないんです。 痛みを和らげてあげる事しか。
それさえもポテトにとっては悪戯に苦しめてしまう可能性もあります……。」
「先生…もうこれ以上苦しむこの子の姿を見たくありません…。
だってずっと辛い治療してきて、私達の為に頑張ってくれたんだもの。
もう十分頑張ったんだよね? ねぇ、ゆな。 もうポテトを楽にして眠らせてあげよう?
このままにしててもポテトは苦しんでしまうだけなんだって。」
「ママ、嫌だッ! 利久せんせぇ…ポテトの事助けてよぉ…。
昨日まで元気でゆなと一緒に眠ってたの。 せんせぇ、お願い……」
ゆなちゃんの訴えに利久さんは更に悔しそうな顔をした。
「ゆな、利久先生を困らせちゃ駄目だよ? もうポテトは立てないし動けないの。
その状態で一番苦しいのはポテトなんだよ?ゆなも嫌でしょう?ポテトが苦しむの」



