ふたつきめ。 共に生活をして初めて知る事ばかりだ。




利久さんの朝はとても早い。規則正しい生活をしている鏡のような人だった。
彼は毎朝きちんと6時に起床する。

二階にはリビングの他に3つ部屋がある。 私に与えられたのは元利久さんの書斎兼仕事部屋だったらしい。 元々置かれていた本棚には医学書や小難しい本がいっぱいある。

元来気が利く性格らしくふわふわの新しい布団と毛布がそこには用意されていた。 ここ1年ニート生活ですっかりと昼夜逆転していた。 が、北海道の朝の余りの寒さに自然と私も利久さんと同じ生活リズムを刻むようになった。



一緒に暮らし、一ヵ月はあっという間に過ぎた。

「おはよう~~~~!!!!!!」

朝から元気な挨拶は基本。けれど毎朝毎朝利久さんは私の声を聴くと飽きもせずに嫌な顔をする。

「朝からうるさい…。君のキーキーと甲高い高音の声は頭が痛くなる…」