【完】セカンドマリッジライフ


「…こんな時に言う事じゃないかもしれないんだけど」

「え?」

「私……利久さんに合わせてここに居る訳じゃないからね?
ごめんなさい…あんな事を言ってしまって… 利久さんとのえるさんが一緒に居る所を見て、嫉妬してしまったの…。
私本当は全然心も広くないし、素直じゃないんだ。 利久さんが何だかんだ言ってのえるさんの我儘に付き合うのも嫌だったし、結婚指輪や写真を大切そうに取っておくのも嫌だった…。
それに過去の事を話すのも怖かった…。インターネットを見たら当然のように私の情報は出て来るし、それを見て利久さんがどう思うかってずっと怖かった…。
だから本当に黙っていてごめんなさい…」

真っ暗な部屋で雪乃の小さな体が小刻みに震えていた。

不安にさせていたのは俺だ。 未練がましく過去の結婚指輪や写真を捨てられずに、のえるの事も突き放す事が出来なかった。

そんなどっちつかずの態度がこんなにも雪乃を不安にさせていたんだ。  ぎゅっと雪乃の体を引き寄せると、彼女は俺の胸の中に顔を埋めた。