【完】セカンドマリッジライフ


「アハハッ。前向きっつーかただの能天気?
こんな私だってたまには仕事に疲れたりすんのよ? やりたくない事だって仕事って思ったらしなくちゃいけないし
忙しすぎる毎日の中で時たま利久と一緒に居た時間を思い出したりするんだー………
もう一度あの頃に戻れたらって思う日もあって」

ふいに見せた横顔はどこか切なげだった。
だから気になってしまう。

「のえる…… 大丈夫か?仕事あんまりうまくいってないのか?」

「ふふ、そんな事ないけどねー。こうやって自分勝手にやって来ても利久は何だかんだ言って優しいから甘えちゃう。
…利久はとっくに新しい道を歩いているのにね……」

のえるの瞳の先に、両手に飲み物を持っている雪乃が居た。
雪乃に気が付いた武蔵はのえるの腕から飛び降りて、彼女の元へと駆けつける。
そんな彼女に見とれていると、のえるはニヤリと口角を上げて俺の背中を思いっきり叩いた。