「うるさいな。最初は知らなかったんだ、雪乃が東京でモデルをやっていたなんて…。 でも一緒に居ると落ち着くんだ。 あの子は北海道が好きだと言ってくれて、俺の仕事も理解してくれていつも隣で笑ってくれる。
一緒に居るだけで安心出来る人に出会ったのは生まれて初めてだったんだ。
バツイチで今更結婚に夢なんて持てなかったけれど……雪乃とならばもう一度やり直して見てもいいと思ったんだ」
のえるは足元をブラブラとさせながら、自分のスニーカーを見つめていた。
彼女にしては真剣な表情をしていたかと思う。
「結婚は向かなかったし、北海道も全然好きになれないけれど……利久と結婚した時は楽しかったんだ。
利久はさ、私がどんなに我儘言っても結局優しくって私には癒しになっていた。」
「俺だってのえると結婚した時はちゃんとのえるが好きだった。のえるのいつだって前向きな所には元気づけられた」



