「雪乃ちゃん知ってる?利久はチーズケーキも得意だけどチョコレートケーキも得意なの」

「あは、私は今日初めて作ってもらうので…」

「マジで絶品なの~。チーズケーキもチョコレートケーキも私が大好きだからって昔からよく作ってくれてね~?
それにこの人料理も上手でしょう~?」

「あ…はい。本当に上手で」

どうしよう。 上手く笑えない。 のえるさんは悪気があって言ってるわけじゃないのに…悪意しか感じないなんて。

のえるさんはこっそりと私にだけ聞こえるように耳打ちした。

「そういえば雪乃ちゃんって琥太郎と付き合ってたよね?
実は私ネットニュースで琥太郎と熱愛みたいな感じになっているんだけど、あれって全部デマなのよ。
琥太郎の会社のジュエリーモデルとプロデュースで関わっていて一緒に居る所を撮られちゃったの。 …琥太郎ってば未だに雪乃ちゃんが忘れられないみたい。
結婚してるって知ったらきっとショックでしょうね」

「あ…アハハ……」