【完】セカンドマリッジライフ


つれない言い方をしている利久さんはお昼ご飯の準備をしていた。 クールな素振りを見せたって知っているんだから、利久さんだってスマホの待ち受けを結婚式の写真にしていた。

私に言わないだけでこっそりとその画面にしてくれているのがすごく嬉しかった。

「武蔵もめっちゃ可愛いねぇ~?」

そう声を掛けると武蔵は嬉しそうに前足を浮かせてこちらに向かって尻尾を振る。

「イチ、ニ、サンも一緒に撮れたら良かったんだけどねぇ」

「猫なんてあんな広い所に解き放ったらそれこそ逃げてどっかにいなくなるぞ」

「それは嫌あ~……。
ねぇ、それよりイチさんの具合い大丈夫なのかなあ?」

幸せもつかの間。 最近うちのボス猫である黒猫のイチの様子がおかしい。 時たま苦しそうにうぇうぇと言っている所を見かけ、焦った私が利久さんを夜中に叩き起こした。