「…君のそのテンションの高さで本当に息が止まってしまったら困る。 少しは落ち着いてくれ。 あんまり褒められすぎると照れる」
顔を真っ赤にさせる利久さんは新鮮だ。
この状況で落ち着いていられるものか。
世界中の人々に利久さんのかっこよさを伝えたい。 背も高く小顔な利久さんはタキシードやスーツの類がとても似合う。
動物病院の白衣を着ている時が世界で一番かっこいいのは周知の事実。 しかしこうタキシードっていうのも新鮮で良い物だ。
利久さんの腕を掴みキャッキャッとはしゃぐ私達を前に、カメラマンさんが満面の笑顔を作る。
「本当にお似合いの夫婦だな…。 ご主人も素敵ですけれど奥様もウェディングドレスがとてもお似合いですよ。
いやー…こんな綺麗な人を撮るの初めてかもしれない。緊張しちゃうなあ」
「あーはっはっはっ、もうカメラマンさんったら口が巧いの。ね?利久さん」
両腕をがしりと掴み互いに見つめ合っていると、利久さんがフッと目を逸らした。 そして口ごもりながら小さな声で言った。



