【完】セカンドマリッジライフ


「僕は…余り気の利かない人間だから雪乃さんの気持ちを楽にしてあげられていないかもしれません…」

「あはは~、そんな事ないわー。 モデルの仕事をしている時も辞めた後も雪乃が辛そうな顔ずっと見て来たの。
でもどれだけ言ってもあの子は大丈夫の一点張りで。 でも利久さんと一緒にいる雪乃を見て、一瞬で分かった。今すごく幸せなんだって。
だから私は利久さんがバツイチだとかどういった経路でそうなったかなんて事情どうでもいいの。 大切なのはいつだって今だから、そして今雪乃が利久さんと居て幸せならば母親としてそれ以上に望む事なんてないんだから」

やっぱり東京に来て正解だった。 シンガポールに居る父親に会えなかったのは残念だったが、互いの両親に会っておいて良かった。

初めは互いの利害の一致の為にした結婚だったけれど、徐々に互いに好きになっていった。
そうやって夫婦になる。 偽物だった物を本物に変えていく事も出来るのかもしれない。