【完】セカンドマリッジライフ


あんなのただの社交辞令だと思うが。
両親仲良く揃って北海道に遊びに来る事なんてこの先もないだろう。
けれど雪乃が笑ってくれるから、そんな未来を夢見るのも悪くない。


それにしても俺の両親はいいとして、雪乃の両親に会うのは不安だ…。 俺、認めて貰えるんだろうか。 北海道で動物病院をやっているバツイチの男なんて…。

そんな事を考えているとベッドから安らかな寝息が聴こえてきた。  雪乃が目を瞑って眠っている。 今日は一日中明るく笑っていて、俺の両親へも気を使ってくれていた。

相当疲れたに違いない。 ちゅっとおでこにキスをすると彼女の体に布団を掛けて、その寝顔を見つめる。


…このまま東京に帰ってしまったらどうしようか。 そんな不安は取り越し苦労だったのか。

北海道も動物病院も好きだと言ってくれた。 東京には未練がないと。 彼女は違う。のえるとは違う人間だ。