5年前に亡くなったおじいちゃんがうさまるをだっこして縁側に腰かけている。
うさまるがおじいちゃんを見上げると、おじいちゃんは目を細めて優しくうさまるを撫でた。
わたしが今暮らしているおばあちゃん家と同じ造りの家。
床の古いキズから、家の匂いまですべて同じ。
だけど、1つだけ違うことがある。
家の庭が金色に光輝いて、まるで月にいるかのような……
「おじいちゃん? うさまる?」
そっと声をかけると、
「澪? どうしてここに……?」
おじいちゃんは目を丸くして驚いた。
「おいらの魔法で少しだけこっちに呼んだんだ」
うさまるが、ふふっと笑ってわたしの足元にすり寄った。
「辛い思いをさせて本当にすまなかった」
うさまるを撫でるわたしに、おじいちゃんは悲しそうに目を伏せて謝った。
どうして謝るのか、よく分からない。
「澪、ここは月なんだ。月は死者の国でね。そして魔法を使えるおいらたち月のウサギは、地上では姿を見えなくして月との行き来をしているの。死者の使いとして地上の様子を報告するのが仕事なんだ」
そして、うさまるがこれまでのことを話してくれた。

