心の声は聞きたくない!


「俺のこと見ろ」

葉山くんがわたしのあごをクイッとあげた。

目の前に葉山くんの顔。

鋭いけど、優しさのこもった瞳がそこにあった。

「俺の心、読めよ」

(好きだ、大好きだ……全部好きだから。俺と一緒にいろ)

溢れるほど聞こえる心の声。

この胸に飛び込んでしまいたい。

だけど……

葉山くんが、わしゃっと髪をかいて、

「あーもう、めんどくせぇ」

ぎゅっとわたしを抱きしめた。

「俺の彼女になれ。許されないとしても俺がお前を幸せなとこまで連れてってやる」

力強い葉山くんが頼もしい。

愛がひしひしと伝わってくる。

「でも……」

「まだ言うか? だから、いやでも俺が幸せにしてやるから心配すんな……好きだよ、澪」

いつもより低くて熱のこもった声。