土曜日、どうしてもうさまる達に会いたくなった。

わたしの気持ち誰かに聞いてもらいたい。

「あ、ウサギ達ふれあいスペースにいますよ」

何度も通いつめるわたしを飼育員さんたちは覚えてしまったようで、ゾウの飼育スペースの掃除をしていたお兄さんが教えてくれた。

「やった! やっと会える」

葉山くんのことで気持ちが沈んでいたけど、やっと元気がわいてきた。

気持ちが先走ってつまづきそうになる。

早くぎゅっと抱きしめたい!

ウサギが10匹ほど芝生に放されているふれあいスペース。

小さな子ども達が集まるそのスペースにわたしが1人で入り込むのは気が引けたけど、それ以上に会いたいものは会いたい!

芝生に足を踏み入れると、

(あっ! みおーー!)

うさまるがすぐに気がついて走ってきてくれた。

ユキちゃんとハカセはちょうど子ども達に抱っこされている。

「会いたかったよ、うさまる」

抱きしめながらもふもふの毛を確かめるように、何度も撫でた。

(おいらも会いたかったよー。ちょっと心細くて怖かったけど今はここが楽しいよ!)

「そうだよね。初めての場所、怖いのは当然だよ。でも元気そうでよかったー!」

短い尻尾をちぎれんばかりに振っているうさまるを見て、安心した。