心の声は聞きたくない!


おばあちゃんの家に帰りついた。

わたしたちが帰りつくタイミングを見計らったかのように、雨足が弱まる。

止むならもっと早くに止んでよと文句を言いたくなる。

「待ってて。タオル持ってくる」

葉山くんはだいぶわたしの方に傘を傾けてくれてたから肩が濡れて寒そう。

そのまま帰すわけにもいかず、急いでタオルを持ってきた。

だけど葉山くんはわたしの差し出すタオルを受け取る気配はなく、ただうつむいて玄関の床を見つめている。

迷子の子犬のように、か弱く見える。

「あの、葉山くん」

もう一度タオルを差し出しても反応がなかったから、わたしは恐る恐る葉山くんの濡れた肩をタオルでそっと拭いた。