シンと静まった図書室。
遠くの方でみんなの部活動の音が聞こえる。
吹奏楽部の楽器の音、野球ボールを打つカキーンと軽快な音。
「さぁ、いこー! ファイトー!」
みんなのハツラツとした声。
たくさんの音が混ざって聞こえているはずなのに、不快ではない青春の音。
カウンターで本を読みながら、それらの音に耳をすませていたわたしはふと、窓の外に目をやった。
ここ図書室は裏庭に面した校舎の2階にあって、窓からはウサギ小屋が見下ろせた。
もう懐かしいと思うほど、葉山くんと掃除していたのがずっと前のことみたい。
しばらくウサギ小屋を眺めながら思い出にふけっていたら、
「これ」
カウンターから短く声をかけられた。

