1ヶ月が過ぎると葉山くんとも昇平くんとも関わりのなくなったわたしに、クラスのみんなはすぐに興味をなくした。

広まっていたうわさは消えて、教室で常にうつむきがちだったわたしは少しだけ上を向いて生活できている。

ただ、葉山くんが視界に入るときは別だけれど。

葉山くんだってもう、わたしに興味をなくしているって頭では分かっているけど、もしかしたら目が合うかもなんて少し期待する自分が本当に嫌になる。

だから、葉山くんがいるときは机、床、上履き。

徹底して下を向くんだ。

関わらないと決めたのに決意の甘い自分にムチ打って、下だけを見つめる日々だ。

はぁ、うさまるたちに会いたい。

すぐに動物園に会いに行ったのに、実はまだ会えていないんだ。

「場所に慣れるまでは裏の飼育室にいるんです。ふれあいスペースに仲間入りするのは、1、2ヶ月後といったところかな。でも、とっても元気にしてますから安心してくださいね」

飼育員さんが優しく教えてくれたけど、待ちきれない!

1、2ヶ月後ってアバウトすぎる。

1ヶ月は経ったから今か今かと動物園に通いつめている。