わたし、気を失ってたみたい。
どうしちゃったんだっけ……
目を開けると、真っ白な天井。
そうだ、わたし階段から落ちて……
ここ、病院かな?
「いたた……」
起き上がろうとしたけど、頭がズキンと痛んで無理だった。
手足もジンジンと痛んでいる。
「目、覚めた?」
すぐそばで聞こえた声に驚いて、勢いよく声の方を向いちゃった。
「うう、いてて」
頭を抱えて痛みに耐えながら、わたしは声の主に驚いている。
「はるとくん……」
ベッド横のイスに腰かけているはるとくん。
「びっくりしたよ。俺、ちょうど向かいの歩道にいて澪ちゃんを呼び止めようと電話をかけたんだ。そしたら澪ちゃんが落ちたのが見えたからさ。急いで救急車呼んだ」
「そっか……はるとくんの声、聞こえた気がしたんだ。ありがとう」
わたしはベッドに添えられているはるとくんの手を握ろうと手を伸ばした。
だけど、サッとはるとくんは避けるように手を引っ込めてしまった。
(あの手帳のこと聞いてみるか……? でも勝手に見たなんて言えねぇし)

