体育館裏に逃げてきた。

ここなら思いきり泣いても誰もこない。

しゃがみこむと必死にこらえていた涙があふれた。

葉山くんにひどいこと言ってしまった。

葉山くんに普通に恋したかった。

どれだけ後悔しても、自分のしてきたことはなくならないのに、後悔が尽きない。

地面にわたしの涙が水玉模様に落ちる。

小学生のわたしも、いじめられてたときよくこうやって体育館裏で泣いて、涙でできた水玉模様をひたすら眺めてた。

そろそろ昼休みが終わる。

教室に戻らないとと思ったとき、ジャリ……と地面を踏む音がして、わたしは顔をあげた。

(やっぱりここにいた)

そこにはあのころと同じ、優しい眼差しの昇平くんが立っていた。