告白されて、良い気分になった帰り道。

歩道橋の上でスマホが鳴った。

「スマホスマホ……あれ、どこだっけ?」

鞄の中を探ってもなかなか見つからなくて焦る。

「あ、あったあった」

ようやく見つけて取り出した拍子に、真面目男子からの手紙も一緒に飛び出てヒラリと地面に落ちた。

とっさに一度拾ったけど、わたしは手紙をクシャっと握りつぶしてポイッと捨てた。

もう要らないや。

「電話電話っと……あっ、はるとくんからだっ!」

なおも鳴り続けるスマホの画面には、最近仲良くなって脈アリっぽい男子の名前。

かっこよくてスポーツ万能な彼に憧れている女子は多くて、はるとくんに告白されたらきっと、みんなが羨ましがるはず。

「もしもしっ。はるとくん? どうしたの……きゃぁ!」

ウキウキしながら電話に出たわたしは、足元をよく見ていなくて、歩道橋の階段を踏み外してしまった。

勢いよく階段を転げ落ち、頭と全身に強い衝撃が走った。

「澪ちゃん! 大丈夫!?」

遠くの方で、はるとくんの声が聞こえた気がした。