家に帰るとおばあちゃんは出かけていた。

そういえば、俳句仲間とネタ探しに町を散策するって言ってたっけ。

自分の部屋でベッドに横になると、ウサギのことを書き留めた手帳を握りしめた。

葉山くんの手のぬくもりを思い出しちゃう。

「ただのクラスメイトでしょ」

手帳を出来るだけベッドの脇まで追いやって、心のもやもやを表すようにゴロゴロ転がり回っていたら、わたしはいつの間にか眠ってしまっていた。



「んんー……?」

なにやら騒がしくて目が覚めた。

時計を見ると2時間くらいは寝ちゃってたみたい。

リビングの方からなにやら笑い声が聞こえる。

おばあちゃんと俳句仲間かな?

散策から帰ってきて、みんなで俳句を作っているのかもしれない。

「こんにちは……え……!?」

一言挨拶しとかなくちゃと、リビングに顔を出したわたしは、ポカンと開いた口がふさがらなかった。

おばあちゃんと、俳句仲間のおばあさん2人、そして、葉山くんがお茶とお菓子を囲んで笑っていた。