「ほ、褒め言葉です……」

追い詰められた小動物のような気分で、やっと言葉を発するわたし。

「ふーん」

(まぁいいや、ねみぃ)

興味がなさそうに葉山くんは髪をわしゃわしゃかいて、また机に突っ伏そうとしたから、

「待って……ください。飼育委員は理科室に集まるように今放送があったんです」

「ああ……」

短く言って立ち上がった葉山くんの後を追う。

ぶっきらぼうな葉山くんに怯んで、なんだか敬語で話しちゃうし、横に並んで歩くのもためらわれる。

わたしは理科室までのあいだ、数歩先を歩く葉山くんの後ろを小走りについていった。

サッと道を開けるみんなの視線が痛い。

(葉山くん……とあと、あの地味なの誰だ?
ストーカーか?)

みんな勝手なことばっかり。

地味だけどストーカーじゃありませんよ!