ちえりの考えてることってなんだろう。

俺は、大学内で会いたい、とか。名前も知らない顔も知らないちえりと同じ学部のやつに嫉妬して、何も考えずに行動しただけなんだけどな。

よくわからなくて、首を傾げる。



「…ね、ゆんちゃん。もっかい」

「え?」

「もっかい!ちゅーしよ!!」



ちえりはやっぱり朝から、テンションが高い。

バタバタと廊下を走る音が俺にとっては心地いいけれど、下の階の人とか隣の部屋の人とか迷惑に思っていないだろうか。まぁ、まだ苦情は来てないけれど。

もっかいって言うちえりの頬が紅い。恥ずかしいのかな 、恥ずかしいんだろうな。

そう思うと、なんだか愛おしくって、面白くって。

俺は笑いながら、ちえりのお望み通り、とびきり甘いキスをプレゼントした。



「(行ってきますのちゅー出来た……!)」

「(ほんと、なんでこんなに可愛いんだろ……)」