完璧な笑顔・・・ 
 
 その笑顔は、作りものなん? 
 無理・・・してるん?


「今の電話、何?」

 私は智明に問う。

「えっ?」

「何の電話やったん?」

「ああ、仕事関係の人。明日の配達の件で」

「うそ、やんね? ・・・お金の話でしょ?」

「いや、違うって!」

 誤魔化す智明に、私は抱き着いた。


「うそ、言わんといてよ・・・ お金の、話でしょ・・・? そうなんでしょ?」

「・・・・・」

 智明は何も答えない。


「なんで? なんでよ・・・ なんで智明がこんな・・・」

 私の目から、ぶぁっと涙が溢れ出した。


 なんで、なんで智明ばっかりこんな目に遭うんよ? 父親は何してるんよ!



 その後、私はしつこく智明を問い詰め、今抱えてる状況を聞き出した。

 とある人にお金を借りて、ずっと返済が滞ってると。そして今月末までなんとか待ってもらっていると。他にも数名、返済しなければいけない人がいると。けど金額までは教えてくれなかった。