「確かこれ。飯豊読める?」 「え、えん、のぼ、え、むず。」 「だろ?」 何故かドヤ顔する蓮田に、飯豊が苛立ったように「はあ?」と言った応えた瞬間。 「 燕昇司(つばくろしょうじ)。」 通りかかった花が答えた。ふたりして、一度キョトンとしてから、花を顔を見つめ、蓮田が繰り返す。 「つばくろしょーじ?」 「燕昇司。」 即座に言い切った花が、ふたりには何故か少し苛立って見える。理由は不明。相手が花だと余計だ。 蓮田はゲラゲラ笑いながら、スマホの『燕昇司』を指さす。