しばらくすると、夏菜子がやって来た。

「りつ~、メアド教えてよ~」

「かな、ごめん!
変えた事、言わなくて…」

夏菜子は携帯電話を出す。

「受信する?」

「うん」

「じゃ、赤外線通信するね。
送信!」

「受信!」

夏菜子は嬉しそうだ。

「ありがとう、りつ」

「あの…」

少し遠慮がちに粋香が口を開く。

「りっちゃん、わたしにもメールアドレス、教えてほしい」

「いいよ。
携帯、貸して」

粋香は携帯電話を凛月に渡す。

「あれ?
あたしと対応違くない?
すいちゃんには優しいんだね」

夏菜子の言葉には無視して、凛月は粋香の携帯電話に、自身のメールアドレスを打ち込む。