「……陽菜、どうしたらいい?この状況……」

翌日の夕方。今日は、陽菜と2人で地上に降りて来ていた。

陽菜は「……どうしよう」と塀に体を預けると空を見上げる。

昨日、あれからソルと夏樹さんは喧嘩したんだよね。一方的に、ソルが夏樹さんの言葉を否定するって感じだったけど……。

「……それにしても、ソル……じゃなくて、晴輝があそこまで取り乱すとは思わなかった」

――じゃあ、証拠はあるんですか!?俺と、あなたが兄弟だったっていう証拠は!!俺は、絶対に信じません!

不意に思い出したのは、昨日ソルが夏樹さんに向かって放った言葉。その時のソルの表情は、どこか切なそうだった。

「……困ったなぁ……僕じゃ、力になれないから……」

「……そんな事ないよ。瑠依は、晴輝を助けたいんでしょ?」

陽菜は、僕を見つめると微笑む。陽菜の言葉に、僕は無言で頷いた。

「瑠依って、本当に優しいよね」

そう言って、陽菜は僕の頭に手を乗せる。それが恥ずかしくて、僕は俯いた。

「……僕は皆が思うほど、優しくないんだよ」

「じゃあ、瑠依はどうして死神になったの?優しい人じゃないと、死神って続けられないと私は思うけど……もしかして、死神を続けるのが苦痛?」

「……」