「……っ!」

僕が刀を構えながらそう言うと、夏樹さんは驚いた顔で僕を見る。

「……紫乃、動かないで」

「……分かった……」

僕の言葉に、紫乃は頷いた。僕は、紫乃に巻き付いてる糸に向かって刀を振り下ろす。次の瞬間、紫乃に巻き付いてた糸は切れて空気に溶け込むように消えてった。

「……」

紫乃の体が光って、僕のブレスレットの中に入ってく。僕は綾と夏樹さんに背を向けると、口を開いた

「……僕、天国に行ってくる!」

そう言って、僕は走り出した。



正式に死神になった紫乃が、僕の隣を歩く。紫乃は、僕の家の近くに住むことになったんだ。

僕らが村を歩いてると、綾と夏樹さんの姿を見つけたから、僕は2人に近づいた。

「……瑠依、紫乃くん……」

綾は僕と紫乃の方を見ると、微笑む。夏樹さんも、無言で微笑んだ。

「……瑠依」

名前を呼ばれたから声がした方を見ると、そこには陽菜とソルが立ってる。

「陽菜、ソル……」

僕が微笑むと、夏樹さんは「晴輝!」とソルに抱きついた。

「え……?」

夏樹さんがソルに抱きついたことに、僕だけじゃなくて紫乃も綾もソルも驚いてる。

「……あの……誰、ですか?」