紫乃さんがそう言うと、綾と夏樹さんは困った顔をする。

「男の子……ですよね?」

僕がそう言うと、紫乃は「え……?」と僕を見つめた。

「最初紫乃さんを見た時、可愛らしい男の子だなって思いました……違いますか?」

「……そうですよ。僕、男の子なんです……嬉しい……僕、名前と容姿から……今まで女の子と間違えられてきて……間違えずに当ててくれたの、君が初めてだ」

紫乃さんは、そう言って顔を赤くしながら嬉しそうに笑う。

「……そうなんですね」

「それと……ごめん、僕……敬語を使うのが、苦手なんです……時々、敬語が抜けるとは思いますが……」

「……無理して、敬語を使う必要は無いよ……?」

僕がそう言って微笑むと、紫乃さんは驚いた顔で僕を見た。

「えっと……良いの……?」

「僕は良いけど……皆は?」

「私も使わなくて大丈夫だよ」

「君が敬語を使いたくないんだったら、無理して使う必要はないと僕も思うな」

「……ありがとう……僕のこと、紫乃って呼んでくれたら嬉しい……」

そう言って、紫乃さんは微笑む。僕は「分かった」と頷いた。

「そういえば、紫乃は自己紹介してくれたけど……僕らは、自己紹介してないね。僕は、星川 瑠依。死神だよ」

僕の言葉に、紫乃は「死神……?」と首を傾げた。