お互いに自己紹介をしていると職員室に付いて、僕は「ここだよ」と晴輝の方を見た。晴輝は、「ありがとう……ここの学校の人たちって、皆優しいね」と安心したように笑う。

「そうだね……また、困ったことがあったら言ってね」

そう言って、僕は教室に向かって歩き始めた。



昼休みになり、僕は気分で屋上に来ていた。屋上のフェンスにもたれかかりながら、俯いている晴輝を見つけて、僕は近づく。

ねぇ、と僕が声をかけると、晴輝は顔を上げた。晴輝の目には涙が溜まっていて、僕は驚く。

「晴輝、大丈夫?」

僕が問いかけると、晴輝は「……中学生の頃のこと、思い出してて……」と小さな声で言った。

「……そっか……」

僕はそれだけ言うと、晴輝の隣に移動する。

「……瑠依は、俺の目の色を見てどう思った?」

晴輝の質問に、僕は素直に「……綺麗な目をしてるなって思った」と返した。

「晴輝。目の色のことで、いじめてくる人がいたら僕に言って……その時は、僕が絶対に晴輝を助けるから」

そう言いながら晴輝に向かって笑うと、晴輝は泣き始める。そんな晴輝を、僕は無言で見つめていた。

……晴輝は、皆は……僕をたくさん助けてくれた。だから、今度は僕が皆を……助けるんだ……それにしても、この学校に前世からの僕の仲間が集まるとは思わなかったな……。

「…………皆に会えて良かった……本当に、本当に会いたかった……」

晴輝にも聞こえないくらい小さな声でそう言った僕の頬に、一筋の涙が伝った。