「ま、待って……俺らだって、知りたい……」

「お前らに話すことなんて、何もねぇよ」

そう言って、静瑠は刀を振り上げる。

「紫乃、晴輝……」

逃げて、という前に僕の体は動いていて、僕は紫乃と晴輝の前に守るように立っていた。

「……これ以上、2人を傷付けるのは止めろ……静瑠」

僕の言葉に、静瑠は動きを止めると握っていた刀を消す。

「…………どうしてだ?」

「……どうしてって言われても……何で、だろうね……僕も分かんないよ。今だって……2人が傷つこうが、どうでもいいって思ってる自分もいる……でも……だけど……2人は……ううん、皆は!僕を変えてくれた、大切な仲間なんだよ……!」

「……瑠依……」

「だから!僕の仲間だけは、絶対に傷付けないで!お願いだから!!」

「…………ふっ」

気付いたら僕は叫んでいて、少し驚いた様子で僕を見ていた静瑠は安心したように笑った。静瑠の表情を見たのか、晴輝と紫乃は「え……?」と声を出す。

「……お前、生きてる頃から比べると大分変わったよな。何だ……ずっと心配してた俺が馬鹿みたいじゃねぇかよ……」

そう言って、静瑠は地面に座り込むと天井を見上げた。