「……僕は、それから……苦しくても辛くても、地獄の死神を演じ続けたんだ。地獄の死神は、無表情で冷酷な死神が多いからね……でも、最近……限界を迎えてさ……泣き叫んじゃって……クララ様に向かって、『しんどい!』って……そしたら、地獄に半年間閉じ込められた挙句地獄を追い出されて……っ……あれ、散々泣いたのに……おかしい、な……」

話しながら、透は泣き始めた。その様子を見た晴輝は透に近付くと、無言で透を抱き締める。透は、晴輝に抱き締められながら泣きじゃくった。

「……」

……透みたいに泣けたら、どれだけ楽になれるのかな……。

何も言えずに黙り込んでいると、透は泣き止んだのか晴輝から離れる。

「……ごめんね。ありがとう…………僕は……両親を知らないんだ……正しく言うと、覚えてない……瑠依のことは、クララ様から聞いたくらいだから……ねぇ、瑠依……僕の両親って、どんな人だったの?」

「……」

透の言葉に、僕は話すべきか迷った。綾は、そんな僕の様子を心配そうな顔で見つめてる。

「…………はぁ……分かったよ……僕の両親がどんな人だったのか教えてあげる……僕の両親はね。とことん子どもに興味がない人たちだった。ご飯とかは作ってくれたりするんだけど、2人の仲は悪くてね……昔は、毎日のように夫婦喧嘩してたよ……」