あれから半年が経った。

今日は休みで、僕は朝から家で紫乃が貸してくれた本を読んでいた。

「……瑠依、いますか?」

家の扉を叩く音とともに、外から聞こえてくるのはライラ様の声。僕は立ち上がると、ドアを開ける。

そこにいたのは、ライラ様。ライラ様は、水色髪の子を横向きに抱えて立ってた。

この子、まさか……。

「ライラ様?……それに、透……!?」

「瑠依……休んでいる時にすみません……実はこの辺を散歩している時に、この子が近くに倒れているのを見つけまして……この子が目を覚ますまで、側にいてあげて欲しいのです」

「……分かりました」

僕は、そう言ってライラ様に中に入るように促した。



「……地獄にも、死神っているんだ……」

僕の隣に座った紫乃が、眠ってる透を見つめながら呟く。さっき僕の家に来た紫乃に、軽く紫乃が死神になる前の話をした。

「……いるんだよ。透は、地獄の死神のはずだけど――」

僕がそう言いながら透を見つめてると、透は目を覚ましたのか起き上がる。

「透、大丈夫?」

僕が声をかけると、少しぼうっとしてた透はゆっくりと僕の方を見た。

「……瑠依……?と、誰?」

僕の隣にいる紫乃を見つめて、透は首を傾げる。