晴輝と陽菜と一緒に僕らの暮らす村を歩いてると、紫乃と綾と話してる夏樹さんを見かけて晴輝は立ち止まった。

晴輝の方を見てみると、晴輝は不安そうに夏樹さんを見てる。

「……晴輝、大丈夫だよ」

陽菜は、そう言って優しく微笑んだ。晴輝は陽菜と目を合わせると頷いて、夏樹さんに向かって歩いてく。

「……えっと……ごめん、なさい……」

晴輝の言葉に、夏樹さんは「え?」と晴輝を見つめた。

「…………さっき陽菜から話を聞いて、瑠依のパフォーマンスを見て……生前の記憶、全部思い出したんだ……あの時、夏樹兄が傷付くようなことを言ってごめん……」

そう言って、晴輝は俯く。そんな晴輝を見た夏樹さんは、ふっと微笑むと晴輝の頭を優しく撫でた。

「……晴輝……僕は、気にしてないよ。だから、そんな暗い顔をしなくていい」

夏樹さんの言葉に顔を上げた晴輝は、夏樹さんに抱きついて泣き始める。

夏樹さんは悲しそうに微笑むと、優しく抱き締めて晴輝の頭を撫でた。

……羨ましいなぁ……晴輝が。僕は晴輝みたいに泣けないし、本音を相手に伝えることも出来ないから。僕は、まだ信じ切れてないんだ……綾でさえも。

「……瑠依」

近くから陽菜の声が聞こえてきて、僕は陽菜を見ると「どうしたの?」と微笑む。