そう言って、ソルは心からの笑顔を浮かべた。

「……陽菜、ごめんね……ありがとう。全部、思い出したよ……瑠依も、ありがとうね……瑠依のパフォーマンスがなかったら、俺は中学3年生まで生きられなかった。いじめは続いたけどさ、でも……明るくなれたのも、生きてみたいって思えたのも、全部瑠依のパフォーマンスがあったからなんだ」

「……っ!」

ソルの言葉に、僕は驚く。

「……瑠依、お願いがあるんだけどさ……俺のこと、晴輝って呼んで。ソルって名前はさ、仮にライラ様に付けてもらった名前なんだ……今の俺には、晴輝って名前があるから」

「……分かった」

僕はソル――晴輝の言葉に、頷いた。晴輝は「ありがとう」と微笑む。

「……」

晴輝は少し何かを考え込んだ後、眉を下げた。

「……俺、記憶がなかったとはいえ……夏樹兄には悪いことを言ったかな……謝って、許してくれるんだろうか……会うのが、気まずいな……」

「……大丈夫」

晴輝の言葉に、僕は口を開く。晴輝と陽菜は、同時に「え?」と僕を見た。

「…………僕には、どの言葉をかけるのが適切なのかは分からない……だけど……僕は、晴輝が夏樹さんと仲直り出来るって信じてる」

そう言って僕が微笑むと、晴輝は「ありがとう」と微笑んだ。