「じゃあ、とりあえず会おうよ。ね? そうだな…来週の火曜日、渋谷はどう? えーとEホテルのラウンジでいいでしょ?」

もちろんさおりは美貴恵の返事も聞かずに一方的に話を進める。

それでもちゃんと直接会って話しをしないことには、この無理なお願いは断れないと感じていたこともあり、会う約束をするのだった。

「わかったよ。じゃあ明後日ね。1時くらいなら」

「ありがとう美貴恵。頼りにしてるよ」

「だからやらないって言ってるで・・」

ここまで言ったときにはすでに電話は切れていた。

友人からの突然のお願い。
戸惑う美貴恵。

平凡で変化のない毎日に小さな水滴が落ちた。