大志がつなげてくれた仕事は、思いのほか芳樹の活動の幅を一気に広げてくれた。
そのおかげで前にもまして、仕事に追われるようになったことで、芳樹は大志と紗江に手伝ってもらうことも少なくなかった。

大志はカメラマンとしての独立に向けて、精力的に仕事をこなしていたが、問題なのは紗江だった。

紗江はフリーランスではなく、企業の正社員。もちろん、会社の本業を邪魔するような仕事は依頼できない。
だからできるだけ短時間で終わる案件だけを頼むようにしていた。
簡単にいえば、バイトのコーディネーター兼アドバイザー。