──あの時、立花のあんな姿を見ていなければ、俺はいまこの腕の中に立花を抱くことになったりしていないんじゃないだろうか。


それほどまでに俺にとってはとても印象的な出来事で、あの時は全然気付いていなかったけれど、今思えば、俺が完全に恋に落ちたのはあの瞬間だったのだと思う。



本当に色んな事があった。


楽しいことも嬉しいこともいっぱいあったし、喧嘩だってしたし、時には立花を泣かせてしまうこともあった。


だけど、それら全てがあるからこそ今があるんだと思うと、無駄な出来事は何一つなかったんじゃ無いかと思う。



あと、感謝してもしきれないのは、俺の家族とのことだ。


立花がお節介をやいてくれなければ、俺はまだ親父と確執を持ったままだっただろう。


最初は正直言って度を過ぎるお節介にムカついてたけど、今では、本当にとても感謝している。



まだ高校を卒業したばかりだ。


未来を縛り付けることは出来ないし、する気もないけれど、出来れば俺はずっと立花の傍にいたい。


そして、この先もずっと俺と歩んでくれると言うのなら、俺は絶対にお前をしあわせにすると誓うよ。




立花、こんな俺を好きになってくれて、本当にありがとう。



心から、愛している────






『先生がいてくれるなら』 【完結】



最後まで読んで下さって、本当にありがとうございます!
番外編を追加する予定ではありますが、いつになるかは未定です。
1年間、本当にありがとうございました。また次の作品でお会いできることを祈りつつ……
 
──2021/07/02 海棠 桔梗


※番外編も気まぐれに更新予定です。
よろしければ番外編もお読み頂けると嬉しいです!