「先生、ありがとうございます、すごく、すごく嬉しいです……」
自由な時間が少ない中、私のためにわざわざプレゼントを用意してくれたことだけでも嬉しかったのに、これを選んでくれた理由が、すごく私のことを想ってくれてるんだって実感させてくれるものだった事にも、とても感激してしまう。
嬉しすぎて、じわりと涙が滲んでくる。
先生はそんな私を見て、嬉しそうに笑った。
「泣き虫」
「嬉し涙は、泣いたカウントに入れないで下さいっ」
「ははっ、どう言う理屈だよ」
先生は呆れて笑いながら、私を抱き寄せて、私の額にキスをひとつ落とす。
至近距離で見る先生は、やっぱりとても綺麗で、今更ながら、どうして私なんかを選んでくれたんだろうって思ってしまう。
私は、取り柄なんか特にない、ただの女子高生、先生から見ればただの子供、だ。
それでも良い、と言ってくれる先生は、どこまで寛大なんだろう?
だけど、少しでも先生に近づきたくて、背伸びをしたくなる。
18歳になった今日、ちょっとだけ、精一杯の背伸びを、してみたくなる──。
「あのね、先生……」
「ん?」
「あの、……ひとつ、お願いが、あって……」
「ん、なに?」
「えっと……、」
自分から言い出しておいて、恥ずかしくてなかなか口に出来ないでいると、先生が私の顔を不思議そうに覗き込んだ。



