と言うか、広夢さんが良くても、先生は忙しいし……もう夏休み中は会わない方が良いのかも……、なんて思っていると。
「ほんとに、ちゃんと話した方が良いって。細川先生のことも含めて。さっきはちょっと怒ってたけど、孝哉兄さんも本当は分かってるよ。ちょっと頭が冷えたら、ちゃんとまた話を聞いてくれるはずだから」
「そうでしょうか……」
話を聞いてくれたとしても、許しては貰えない可能性もある……。
「とりあえず、もう一度ちゃんと話した方が良い」
広夢さんはそう言って、私と連絡先を交換したいと申し出た。
──先生は、光貴先生と私が連絡先を交換したことを少し怒っていたけど、やっぱり広夢さんと交換することも、怒るのかな……。
それを広夢さんに言うと、「あはは、気にしなくて良いと思うけど」と広夢さんは一蹴する。
「複雑な気持ちはあるんだろうけど、僕や光貴兄さんに嫉妬するのは間違ってるって、さすがに分かってると思うよ。ただちょっと牽制しておきたいだけなんだよ、明莉さんの危機感が薄すぎるから」
笑いながら私の危機感の無さを指摘されて、私はさすがに少し落ち込んだ。
広夢さんから見ても、私は危機感が無いって事だよね……。
「気を付けます……」
私がそう言うと、広夢さんは「うん、孝哉兄さんのためにも、お願いします」と言って笑った。



