「立花さん、ほら、携帯のライトも点いてるし、真っ暗じゃないよ?」
事情を知らない細川先生は、携帯を持ち上げて掲げて見せた。
「……っ!」
やだ、やめて、携帯のライトは、イヤ……!
そう言いたいのに、声にならない。
息を吸うのに、こんなに吸ってるのに、また、肺の中に酸素が入ってこなくなる。
「えっ、立花さんっ!? ゆっくり呼吸して! さっきみたいにゆっくり、吸って、吐いて、吐いて、って呼吸して!」
私はぎゅうっとしがみついて、必死に息を吸う。
──苦しい、先生、先生、助けて…………っ!
「立花さんっ、ゆっくり吸って、吐いて、吐いてっ、……ねぇ、聞いて!!」
聞いてる、でも、出来ない……っ、
苦しい、吸えない、酸素が、足りない、苦しい、苦しい……!!
「立花さん、ダメ、息吐いて! 吸っちゃダメ! 吐いて!」
なんで……!?
苦しいのに、なんで吸っちゃダメなの……!?
ひどいよ、酸素が欲しいのに、吸っちゃダメだなんて、ひどい……っ!
私が息を吸おうとすると、細川先生が私の口の前に手をふわりとかざした。
──吸えない、吸えないよ……!!
「お願い、息、吐いて! 吸うんじゃなくて、吐くんだよ! フーって、吐いて!」
ハァ……、ハァ……、



