先生がいてくれるなら③【完】


「……立花…………」


耳元で囁かれて、離れようともがいていたはずなのに、いつの間にか先生の背中に腕を回してギュッと縋り付いていて……。


それに気を良くしたらしい先生は、唇で私の耳の輪郭をそっとなぞり、そのまま首筋へと移動する。


「……っ、ちょっ、せんせ……っ」


私の声なんかまるで聞こえてないみたいに、そのまま首筋を唇でなぞり、食むように唇で挟み、熱い舌先で肌を溶かす。


「せん、せ……っ、ま、まって……」


背中に回した両手でギュッと先生のシャツを握るけど、ちっともやめてくれない。


だめ、ちょっと……っ、ドキドキしすぎて、死ぬ……っ。


身体の力が、抜けちゃう……、先生……。



スルスルと先生の背中から私の両手が滑り落ちる。


すると、クスクスと笑いながら「もう降参?」と耳元で囁かれるけど、私は息が上がりすぎて返事すら出来なくて……。


急にグラリと身体が傾いたかと思うと、そのままソファに押し倒された。


「降参、って言うまで、やめないでおこうかな……」


頭上で先生が悪い顔をして笑っている。


悪魔……。


「ふっ、顔、真っ赤……」


絶対、タラシ込まれたのは私だと思うんだけど……、この綺麗な悪魔に。