会っていない時に彼が誰と何をしているのか、すべて把握していたかった。

そんな私を不安にさせないようにと彼が気を配ってくれても、元カノとの昔の事まで気になってきてしまう始末。

過去に嫉妬したってどうしようもないことは頭ではわかっているのに、つい比べてネガティブな気持ちになってしまう。

そうなれば当然『俺のこと信じてないのか』と呆れられ、毎回フラれて終わるという残念なテンプレートが出来上がってしまった。

弟妹が多く、親の愛情を独り占め出来なかった幼少期が原因かと自己分析を試みてみたものの、家族とは関係も良好、むしろ我が家は家族仲がいい方なので因果関係はなさそう。

前の職場でも賢治の過去のことで修羅場になり、自分の恋愛下手さ加減にほとほと嫌気が差した。

それでもまだ25歳。恋を諦めたくない私が導き出した答えが『DT探し』だった。



「朱音ちゃんが『そうだ!DTにしよう!』って資料室で叫んでたの忘れられないよ」

クスッと笑い、サラダを口にしながら上目遣いに私を見た。
友藤さんが私に構うようになったきっかけを思い出してげんなりする。

「忘れて下さい」
「無理だね。初対面以上にインパクトあったもん」
「それこそ無理があるでしょう。私の心の叫びなんて、巨乳ナースと真っ最中だった友藤さんに比べれば全然」