サプライズは素直に受け取って。

タクシーから見える外の風景が悲しいくらいに光輝き、寂しくなるほどに木の葉は枯れ落ち虚しさが増してくる。

順調に私の指定した行き先までスムーズに進み、私は自分が間違いを起こさないように素直に自宅へと向かうことにした。
とぼとぼ…と。

もう、何度目か分からない程のスマホの通知のバイブに嫌気がさして電源を落とした。
今さら何の話をしたいのか、何をしたいのか今の私の心では受け入れるエネルギーは残っていない。
せっかくの休日を取り戻したいのに。
気持ちと身体が言うことを聞いてくれないでいる。

着替えをして、一旦気持ちを落ち着かせる為にもお風呂でも入ろうとスイッチを入れてると、直ぐ近くにあるインターフォンが鳴る。

ピンポーン～

(まさか…違うよね…？)
変な緊張感に包まれながら、ゆっくりインターフォンの応答ボタンへと指を動かす。

ピンポーン～ピンポーン～
(ん？お姉ちゃん、もしかして、鍵忘れた？)

慌てて、インターフォンの応答ボタンを押す。
『はい。』とだけ声を発した。

『四季ちゃん？
　工藤　玲央です。
　ごめんなさい。
　誤解を解きたい。
　出て来てくれるかな？』

『・・・。』プツっと終了ボタンを押した。