サプライズは素直に受け取って。

"何かの勘違いをしている"との事なので、姉の妹としてなら聞いてもいいかなと思い"はい。"とだけ返事をして聞き手になる。
(上から目線でごめんなさい。)

「遠回しとかオブラートに包むなんてして、また四季ちゃんが勘違いするのは嫌だからはっきり言うね。
　だから、ちゃんと聞いて。」

「はい。」

工藤さんは注文したコーヒーをひとくち飲み、ふぅと一息ついてから話はじめた。

「僕と真野さんは付き合ってないよ。
　真野さんというのはもちろん、四季ちゃんのお姉さん。」　

「え！？えーーー！！」

混乱×パニック。
答えが分からない難問にぶち当たり勘違いが何の勘違いだったのかさえ、分からなくなってきた。

私のリアクションを見て、はあとため息をつく。

「やっぱり、真野さんと付き合ってると思ってたんだ。
　それで先週、我先にと帰ったわけ？
　ちなみに僕はフリーだよ。」

いきなりの告白に先ほどの工藤さんのお姉さんのような眩しい笑顔に頭の中がショートした。

「そうですか。」
何に納得したのかは不明だが、それだけを振り絞るように発した。