サプライズは素直に受け取って。


とにかく謝ってあの事を有耶無耶にして、四季ちゃんと距離をこれ以上広げたくないと思い頭を下げた。
屋外で今の時期は夜はイルミネーションを見に来る家族やカップル、友人同士のグループが居ていきなりのこの状況に彼女はきっと狼狽えているかもしれない。
それでもしっかり謝罪したかった。

「四季ちゃん、さっきはごめんなさい。
 インターフォンで焦って色々と暴露してしまったけどあの話は嘘じゃないです。
 四季ちゃんに嫌われる事が僕にとっては一番辛い事です。
 だから、どうか僕の気持ちを信じて欲しい。」

「・・・。」

何も言ってくれない四季ちゃん。
彼女のお許しを得るまで頭はあげたくない。
悪いけど、僕は頑固なんだ。

すると彼女のブーツが近付くのが見えて僕のコートの裾を掴んだ。

「四季ちゃん?
 許してくれるの?」

四季ちゃんはコクンと一度だけ頷き、裾を掴む手を少しだけ力を強め、恥ずかしそうにイルミネーションに目を向けた。