サプライズは素直に受け取って。

彼女を車に乗せるまでは彼女を連れ去る事を目標にして気付かなかったが、女性を車に乗せるという事は命を預かるという重大な任務だと車を走らせてから気が付いた。

(安全運転…安全運転…)

変な緊張感が湧いてくる車内はしんと静まり反り、四季ちゃんは窓の外を見ているので僕はとにかく運転に集中をすることに徹した。
移り変わる景色を見ながら彼女が何を考えているのか…知りたいようで知りたくない。
女々しい気持ちとは裏腹に車はどんどん進み目的地が近付ききらびやかなイルミネーションが目に移る。
目的地に着いたのでウィンカーを出し右折し、駐車場へ進む。
車を停めたら四季ちゃんにまず謝罪しようと謝るセリフを頭で何度も言いながら。

どうやら、車のスピードが落ちた事に気が付いた彼女は戸惑った表情をして言葉を発した。

「えっと、、、此処は?
 公民館の広場…ですか?」

「そう。
 ここの公民館って15年くらい前に建て直してこんな風に変わったんだ。」