サプライズは素直に受け取って。


今しがた気がついたのだが、自分の状況を理解し焦った。
ああ。そうだったと。
すっかり彼女とはその気になっておりまだ、四季ちゃんに同意を貰ってない事に焦りを感じ思わず、手を繋いでしまった。

四季ちゃんは驚いたように咄嗟に離そうとするが、僕は繋がった手を離したくなくて四季ちゃん手の甲に"ごめんね"の意味を込めてキスをした。
一瞬で顔が真っ赤になり"なにするのよ!"と言わんばかりの怪訝な目で僕に抗議をしようか、それとも何かを言おうとしたが、周りをみて言葉を飲み込み俯いてしまった。

「今日は車で来たんだ。
 寒いだろ?
 さあ、乗って。」

車だったことに驚いた表情にはなったが、コクンと頷いて駐車場へと足を運ぶ。
助手席のドアを開ける際に彼女から鞄を預かり、大切に扱い人質となった鞄は助手席の後ろの席へ置いた。

ちなみに女性を車に乗せるのは初めてだ。
デート事態も四季ちゃんとのデートが人生初めてなのだけど。
残念ながら車は親の持ち物だが。。。